気密測定検査
昔からの在来工法は、日本の四季が高温多湿な夏を開放的な構造でしたので、気密や換気の事を気にする事はありませんでした。
低気密低断熱の住宅が多く建ち、寒さを凌ぐのは石油ストーブや石油ファンヒーターでしたが、温めれば温めるほど熱は天井から逃げ床下から冷えた空気が入り、足元が寒く暖房周辺しか暖かくなく不快な環境でした。
そこで断熱性を高めれば熱損失がなく、快適な環境が得られるとと考えられましたが、築数年後から結露でカビはもちろん壁体の構造材が腐ったり床下にはナミダタケが繁殖した事例が多く発生してしまいました。
弊社が謳っている高耐久性の一つが木材の腐朽です。
木材は腐朽菌の繁殖によって簡単に腐りますが、その腐朽菌は4大要素の条件が一致しないと生育できません。
「栄養分・適度な酸素・温度・水分」の内一つを抑制すれば繁殖は抑えれれますので、快適な住環境を手に入れる中で比較的簡単に出来るのは水分の抑制です。
どんなに栄養分のある木材で室温が高くても「水分」が無ければ腐朽菌の繁殖はできないのです。
更に、シロアリにも大きく影響していますので、水分は要注意になります。
木材は100年単位でも強度に変化がないと言われていますが、木造住宅に影響があるのは「水分」です。
その水分は大きく分けて3つあると考えています。
・生活上のこぼれ水
・外部からの雨漏れ水
・温度差による結露水です。
こぼれ水は居住者に気を付けてもらい、雨漏れはまた後日に記述しますが、
温度差による結露水は施工力で防げます。
結露は木材の元凶だけでなく、カビやダニが発生する原因となって健康被害にもなります。
結露水にカビが繁殖しそのカビを餌としてダニが繁殖し、ダニの糞や死骸、かび胞子を吸う事により
(シックスハウス)小児喘息やアトピー性皮膚炎の健康被害がでてしまうのです。
温度差の一つは性能の低いサッシ(サッシュ)を使用していると窓が結露している現象です。
一度は見た事があると思いますが、窓周辺がびちゃびちゃですよね。
こちらは樹脂サッシを採用し空気の滞留を防げばある程度抑制できます。
(窓面結露ゼロはなかなか難しいです・・・。室内環境にもよりますので)
そして、壁内が最も重要なのです。
先ほどのサッシ(サッシュ)は目に見えますが、壁内はわかりません。
建物にすき間が生じると空気が自由に出入りし温度差により結露が発生してしますのです。
そこで表題の気密工事がしっかり出来ているかの確認を検査するのです。
建物の断熱性を高めるだけでなく気密性も高めれば、家中が温められます。
気密性能が高ければ壁内の結露も抑制でき、24時間換気が本来の計算通りに計画的に出来て新鮮な空気を室内に取入れ、健康で快適な省エネが実現します。
施工の見えない部分の気密工事こそ大事なのです。デザインばかり重要視されますが、複雑になればなるほど数値は悪くなると思います。
来年度は、日本気密測定協会に入会しましたので、何件か実務経験後スムーズに行える様になりましたら、弊社のお客様だけでなく県内の工務店様及びお施主様のご住宅も弊社スタッフが調査します。
高気密高断熱って10数年前から言われていますが、実際の所、多数の所で検査は目視で終わっています。
大きな大きな買い物をしたお施主様が悲しむ姿を見たくありません。
気密測定が当たり前に、「新時代のスタンダード」になるように業務として行う事にいたしました。